養蜂とハニーハンターについて

日本蜜蜂はちみつの特徴と養蜂2014/05/14

 香川県丸亀市にある自然食品店『日本蜜蜂の店 喜代晴』の代表、日浦さんに日本蜜蜂の養蜂や、日本蜜蜂のはちみつの特徴についてお話を伺ってみました。

●質問
 日本蜜蜂の蜂蜜と西洋蜜蜂の蜂蜜の最大の違いとは何でしょうか?
 同じ花から採れた蜂蜜であっても、味の他に、栄養素の違いなども生まれるのでしょうか?
●答え
 日本蜜蜂は複数の花から蜜を集めますが、西洋蜜蜂は特定の花からのみ蜜を集めます。また、日本蜜蜂の採蜜は年に2回程度ですが、西洋蜜蜂は年に何度も採蜜します。そのため、日本蜜蜂の方が熟成された味であるといわれています。栄養素については、いろいろな意見が出ているので明確には回答できかねるところです。

●質問
 日本蜜蜂の巣箱作製キット 価格 8,000円を販売しておられますが、かなりお安いですね。日本蜜蜂は飼育が難しいと言われていますが、素人でも養蜂ができるものでしょうか?
 また、日本蜜蜂の嬢王蜂はどこで購入できるのでしょうか?
 嬢王蜂がいないと蜂の巣はできないと思うので、ぜひ教えて欲しいです。
●答え
 ご指摘のように、日本蜜蜂の養蜂は一般的に非常に難しいと言われております。その理由の1つとして、日本蜜蜂は西洋蜜蜂に比べて逃亡癖があるからと考えられます。
 日本蜜蜂の女王蜂がどこで購入できるかは、存じておりません。日本蜜蜂が自然に巣に入ってもらえるのを待つか、日本蜜蜂が分峰する時期に日本蜜蜂の分峰球を探し、それを巣箱に人手で誘導する方法があります。当店では、分峰時期に人手で誘導することで日本蜜蜂の数を一定に保っております。

●質問
 日本蜜蜂の分峰する時期とはいつ頃でしょうか?
●答え
 地域によって違うと思いますが、当店では主に4月〜6月の時期になります。

●質問
 この時期に、日本蜜蜂が生息する地域に巣箱を設置し、中にはいってくれるのをじっと待つのが、養蜂の最初の一歩ということでしょうか?
●答え
 基本的には、ご指摘のような方法になると思います。もしくは、日本蜜蜂が入っている巣箱ごと購入するという方法があります。当店でも日本蜜蜂が入っている巣箱を販売しておりますが、巣箱の在庫によりますので要相談対応としております。

●質問
 養蜂をすると、近所迷惑にならないかと不安なのですが、ご近所から苦情出たりすることは、実際にありますか?
●答え
 日本蜜蜂は西洋蜜蜂と比較して、人への危害は少ないです。(もちろん、必要以上に日本蜜蜂やその巣にイタズラをした場合は例外です。)当店では、住宅街を避け、人や車があまり通らない場所に巣箱を設置しているため、近隣から特に大きな苦情が出たことはありません。

●質問
 日本蜜蜂を養蜂する際に、もっとも気をつけなければならないことは何でしょうか?
●答え
 日本蜜蜂の養蜂で気をつける点として、巣から採る蜂蜜量を多くし過ぎないようにすることです。多く採蜜してしまうと蜜蜂が生きていけなかったり、逃亡したりします。他には、日本蜜蜂の巣箱にスズメバチや蛇などが近づくことがあるので、それらに気をつける必要もあります。
 また、近くに西洋蜜蜂の巣があると、西洋蜜蜂に蜜が盗まれる上に西洋蜜蜂に日本蜜蜂に殺されることがあります。
 巣虫の発生を抑制するために定期的に巣の掃除などをする必要があります。
 蜂蜜を1歳児以下には与えないようにすることも重要です。

●質問
 日本蜜蜂の巣から、実際にどれくらいの量の蜂蜜が取れるでしょうか?
●答え
 巣によってバラバラなので一概にどれくらいとは言えませんが、1つの巣からは1年に2回(春と秋)採蜜できれば良いという感じです。
 当店では、1つの巣につき2.4〜4.8kgの蜂蜜が採蜜できております。

●質問
 夏が暑すぎると、日本蜜蜂の動きが悪くなったり、死んでしまったりするのでしょうか?
●答え
 暑すぎると、花が咲いていても水分が少ないので、花から採れる蜜も少なくなると考えれます。また、暑いと蜂も弱ってしまいます。さらに、巣落ちといって、巣が地面に落ちてしまうという問題も発生します。

 以上です。
 日本蜜蜂を養蜂するためには、飼育キットを買うだけでなく、日本蜜蜂が生息している地域で、日本蜜蜂が巣箱の中に入ってくれるように誘導せねばならないのですね。