白くてふわふわなキルギス蜂蜜レビュー
はちみつといえば、普通は金色や黄色、せいぜい茶褐色くらいの色を想像すると思います。
が、なかには変わり種もあります。
成城石井のはちみつコーナーを眺めていたら、こんなはちみつが目にとまりました。
「キルギスの白いはちみつ」。
近くにあるはちみつ達とは一線を画す、エキゾチックなパッケージ。
はちみつではなく、ピーナッツクリームか何かのような白さに惹かれました。
(キルギスとは、花や蜜蜂の名前ではなく国名です。キルギスという国で採れたはちみつということです)
国際大会で金メダルを取ったとPOPに書いてあるのにも気になって購入してみました。
さっそく、家で味わってみます。
いつものように、スプーンで直接味わい、パンにも塗ってみました。
<色・香り・粘り>
クリーム色がかった白。象牙色とでも言うのでしょうか。
香りは、わずかでほとんどありません。
結晶化してほぼ固形なので、写真のとおりスプーンが刺さります。
<風味>
口に入れたときの食感は、ほわほわした不思議な感じ。
他の結晶化したはちみつのような、ジャリジャリした感じは全くありません。
クリーミィーなので、パンにもよくなじみます。
濃厚そうな見た目に反して、とてもさっぱりしたはちみつです。
甘さもやさしく、上品な感じ。
はちみつ特有の癖も少なく、食べやすいです。
おすすめは、トーストに塗ること。
そのまま食べるよりも甘さがひきたち、お菓子のような美味しさです。
そしてこちらも超おすすめですが、紅茶に砂糖がわりに入れてみてください。
優しい甘さが紅茶の風味を邪魔せず、まろやかな味わいになります。
とても美味しくいただけますよ!
風邪予防にもおすすめです。
特徴のまとめ
・常に白く結晶化している。
・トーストしたパン。紅茶との相性は抜群。
・控えめな甘さ。癖がなく、食べやすい。
・固まっているので、ヨーグルトに混ぜたりするのには向いていない。
キルギスのはちみつについて
そもそも、キルギスという国はどんな国なんでしょうか。
中国と接してはいるものの、日本からは遠く離れた中央アジアに位置します。
西遊記で有名な三蔵法師がインドに向かう途中、立ち寄ったため遺跡も残っています。
以前はソ連に属していましたが、ソ連崩壊の際に独立しました。
国土の大きさは日本の半分くらい。
人口は千葉県と同じくらいだそうです。
国土の90%以上が1000m以上の高山地帯で占められています。
キルギス人は遊牧民で、牛肉や羊肉を用いた料理や、保存食を食べることが多かったようですが、最近は近代化が進み食生活も変わってきています。
そもそも、養蜂はソ連時代にロシア人が持ち込んだものです。
キルギスの主要産業の一つでもあるのですが、1990年代以降、はちみつの生産量は減っており、ソ連時代の10分の1になっています。
キルギスの養蜂を映した動画があります。日本語訳はついておりませんが、面白いのでぜひご覧ください。
養蜂の箱がカラフルで可愛らしいです。
養蜂家の男性は多分ロシア系の方ですが、上半身裸で箱をあけて蜂をつまんだりしています。
刺されても大丈夫なんでしょうか?
ロシア人が持ち込んだ西洋ミツバチですが、キルギスで独特の進化を遂げ、平均標高2000m以上の高山地帯でも生き延びる強靭な生命力を身につけたとのこと。
高山地帯に生息する300種類以上の花がキルギスのはちみつの蜜源になっていますが、この「白いはちみつ」は、イガマメ、シャゼンムラサキ、タンポポ、スイートクローバー、チコリ、メギの6種類のハーブが蜜源になっています。
もともと、これらのハーブは薬草としてキルギスで古来より用いられたものですので、この「白いはちみつ」も天然のサプリメントとして、風邪予防や新陳代謝向上のためキルギスの人々に愛用されています。
ちなみに、冒頭でご紹介した国際大会とは、2013年10月にウクライナで行われた国際養蜂会議で、世界140カ国以上のはちみつの中から、この「キルギスの白いはちみつ」が金賞に選ばれたとのこと。