蜂蜜の健康食品としての効能

蜂蜜に含まれる栄養素2012/12/23

 ハチミツって、なんだか身体に良さそうだけど、実際にはどんな成分が含まれているか知っていますか?

 天然はちみつは、ビタミンB1、B2、葉酸などのビタミン類、カルシウム、鉄をはじめ、27種類のミネラル、22種類のアミノ酸、80種類の酵素、ポリフェノールや若返り効果があるといわれているパロチンなど、150を超える成分が含まれた栄養豊かな食品です。

 またハチミツに含まれているビタミンは、非常に良質なものであることがわかっています。
 ビタミンの研究が進むにつれて、人工的に作ったビタミン剤は、大量に用いても、天然のビタミンよりも効き目がないこと判明しました。
 実はビタミンには「活性型」と「不活性型」があり、活性型は少量で効くけれども、不活性型は大量に用いなければ効かないのです。 

 ハチミツに含まれるビタミンは92%が活性型です。

 人工的に作られたサプリメントなどとは、ビタミンの質がまったく違うというわけですね。ハチミツは単なる糖分のかたまりではなく、その中に有効な成分を多量に含んでおり、薬効もあることが古くから知られています。
 1759年にイギリスのJ・ヒル医師が『とくに尿砂、嘆息、咳、声がれ、および朝の出にくい痰など、多くの悪性の病気を防ぐためのハチミツの効能』というハチミツの薬効に関する本を書いています。その序章で、以下のような指摘がなされています。

 神は全てのものに大切な意味を持たせて創造されたはずだが、まるでその神の摂理を軽んじるかのように、いろいろな不調から我々を救ってくれるだろうという望みをかけて、不快になるほど激しい作用を持つ薬を世界の果てまでも捜し求めていく。しかし実際は、ミツバチが庭先で我々のために集めてくれるハチミツを使いさえすれば、まったく同じような効果を手に入れられるのである。

 ハチミツの薬効に関しては、1989年に英国王立医学誌の論文で取り上げられるまで、根拠のないものとして医学界では無視されてきました。現代でも、先進国ではあまり注目されていませんが、医学的な検証が繰り替えされた結果、その効果が実証されてきています。
 アフリカのような医療費が高く、医療設備も整っていないような国では、ハチミツは重要な治療薬として活用されています。

 食べることによって、胃がんの予防になったり、胃潰瘍が治ったり、下痢や便秘が解消したり、風邪が回復することが知られています。

 ハチミツを薬として活用してきた歴史は古く、紀元前1550年前に書かれた古代エジプトの医療書『エーベルス・パピルス』には、ハチミツを薬として使う方法、ハチミツを材料とした薬の用法についての記録が残っています。
 それによると、ハチミツを材料とした円形脱毛症の薬まであるらしいです。古代文明恐るべしです。

 また、ハチミツの100グラム当たりのエネルギーは294キロカロリーです。砂糖は348キロカロリーなので、砂糖の約6分の5くらいのカロリーになります。同じ甘味料でも、砂糖よりも太りにくいのが特徴です。

 ハチミツは体内に吸収するために、これ以上分解する必要のにないブドウ糖と果糖で構成されています。このため消化が早く、すぐにエネルギーとして活用できるので、胃腸の弱い病人やスポーツ選手の間で愛用されています。
 砂糖は消化酵素で分解しなくてはならないショ糖(ブドウ糖と果糖が結合したもの)で構成されているので、ハチミツに比べて消化吸収が遅いです。