1986年の9月に発売されたサントリーの清涼飲料水「はちみつレモン」は、蜂蜜とレモン果汁という天然感が受け大ヒット。
「はちみつレモン」は、1989年の流行語にも選ばれ、この年の出荷量はサントリーフーズだけで1500万ケースという記録的な売り上げを達成しました。
当時、小学生だった私も、はちみつレモンを飲んでいた記憶があります。
甘すぎず、さわやかな味だったので、おそらく炭酸ジュースより子供向けというイメージがあったのでしょうね。
誕生日やなにかの記念行事には、必ずはちみつレモンのペットボトルが出てきました。
しかし、はちみつレモンは、あれほどの人気商品だったのにも関わらず、いつの間には自販機などからも消えてしまい、口にすることがなくなりました。どうしてでしょうか?
これは、「はちみつ」と「レモン」という一般名詞を組み合せただけの商品名が、平易すぎることから商標登録を拒まれてしまったことが原因です。
サントリーフーズ以外の会社も公然と「はちみつレモン」という商品名を使うことができたのです。
このため、「はちみつレモン」市場にはカルピスやポッカコーポレーションなどの有名企業から、無名の業者まで延べ百数社が参入するという激しい競争となりました。
この「はちみつレモン戦国時代」は、1990年代の間、続きました。
しかし、競争の厳しさから、ブームが過ぎ去ると、結果として参入企業の共倒れに終わってしまったのです。
元祖であるサントリーフーズは2000年に「はちみつレモン」を同社の主力果汁飲料なっちゃんシリーズに統合することで、この市場から撤退しました。この「なっちゃん はちみつレモン」も2003年4月をもって販売を終了しています。
はちみつレモンは、その後「もう一度飲みたいソフトドリンクランキング」(gooランキング)で総合2位に輝きました。
男性部門で1位、女性部門では2位という高い順位になりました。
集計期間:2006年5月17日〜2006年5月18日
レモン果汁にハチミツやシロップなど甘みをつけた飲み物、「レモネード」がはちみつレモンの元祖です。
欧米ではレモネードはとてもポピュラーな存在でした。
炭酸の入っていないレモネードは商業用ソフトドリンクの中でも最も古い部類にあり、少なくとも17世紀には販売されています。
はちみつレモンの起源は、意外と古いのですね。