ドイツでは、ハチミツの品質基準を定めた「蜂蜜純正法」と言う非常に厳しい基準があり、そのハチミツが製造工程でどれほど加熱処理されているかをチェックする指標としてHMFを測定しています。
なぜならハチミツは加熱すると、ビタミン類が壊れ、香りが飛んでしまうからです。
にも関わらず、業者は加熱処理をしたハチミツをせっせと売っています。
ハチミツを加熱処理しなくても、特に衛生上、問題があるわけではなりません。
では、どうしてハチミツは加熱処理されているのか? それには、以下のような理由があります。
【1】 ミツバチが巣房に持ち帰った状態の蜜は 水分が約50〜60%という、水たっぷりの状態です。ミツバチは時間をかけて羽根で風を送って、蜜の水分が20%になるまで、蜜を濃縮させます。この間に、ミツバチから酵素が分泌されて、蜜と混ざり合い、より純度の高いハチミツへと熟成されます。
しかし、業者は生産効率を追及するため、巣に持ち帰ったばかりのハチミツを搾り取って、高温で過熱して水分を飛ばしてしまいます。
(本来ならミツバチが行なう仕上げの行程を人間が肩代わりしてしまうため、ハチミツは未完成かつ、栄養が壊された状態になります。このやり方を『夕絞り』と言います)
【2】ハチミツは固まりやすい特徴があります。
工場での瓶詰め作業をやりやすくするために、高温で加熱処理して溶かしてしまいます。
【3】日本では結晶化した(固まった)ハチミツは品質が低いという誤解があって好まれないので、結晶化し難くするために 、加熱してから店頭に出します。
スーパーなどで売られている大量生産品の安いハチミツは、加熱処理されていることが一般的です。もし、加熱処理されていないハチミツを手に入れたいなら、顔が見える養蜂家から購入するのが一番確実となります。
(ハチミツは加熱処理されても味は変わらず、食べて悪いものではありません。
甘味料として使うだけなら、特に問題有りません)