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偽の純粋はちみつに注意!2012/12/26

 ハチミツは実は加工処理によって3つのタイプに別けられます。

 一切の加工処理を行わない天然そのままのハチミツである『純粋はちみつ』。
 水あめや異性化糖(ブドウ糖を異性化酵素によって部分的に加糖に変えたもの)などが人為的に加えられた『加糖ハチミツ』。
 加熱し減圧釜などによりハチミツを脱色脱香した『精製ハチミツ』。

 このうち、もっとも品質が良いのは『純粋はちみつ』です。

 ミツバチが花から採ってきた花蜜の水分を、ミツバチ自身の手で水分を蒸発させて濃縮し、国内産のハチミツであれば水分含有率23%以下になったハチミツ、国外産のハチミツであれば20%以下になったハチミツをいいます。

 ハチミツには様々な有用成分が含まれていますが、『加糖ハチミツ』や『精製ハチミツ』は、加工過程でビタミン類が破壊されてしまっており、本来の栄養がなくなっています。。

 では、『純粋はちみつ』を選べば失敗がないかといったら、そうではありません。

 加熱処理をほどこして濃度を高めたり、人工甘味料を混ぜ込んで水増しした物も純粋はちみつとラベルされて、売られている場合があります。加熱処理された純粋はちみつは、本物に比べてやや色が黒く、香りも若干焦げ臭い感じがします。

 市販品の純粋はちみつには、まがいものも多いのです。
 かつては、「中身はほとんど水あめ。ハチミツは風味を出すためだけ」などと、うそぶく業者もいたそうです。
 さすがにこれほどヒドイ業者は珍しいですが、2006年に優良企業と思われていた業者の純粋はちみつに、異性化糖液(人工甘味料)が約20%も含まれていたことが発覚し、農林水産が指導に乗り出したことがあります。

 食品偽装問題は、ハチミツの世界でも珍しいことではないのです。
 日本人にとってハチミツは、明治時代になってようやく一般人が食するようになった、まだ馴染みの低い食品であるため、本物と偽物の区別がつく消費者があまりおらず、偽物ばかりが流通しているのが現状です。

 本物かどうかを区別するには一概に難しいのですが、以下の四点に注意してください。

【1】本物の純粋はちみつは透明度が低く、濁っています。
 花粉などが含まれていて、ぼんやりした感じがしますので、前方を透かして見る事ができません。

【2】瓶を逆さにすると、本物には色々な酵素が含まれているので、キメ細かな泡が立つ傾向があります。なにもしなくても、瓶の中でハチミツが発酵を続け「泡」を吹く状態が続きます。

【3】本物のはちみつは、温度を下げると結晶化して固くなる傾向があります。これは、決して砂糖が混ざっているのではなく、はちみつ本来の性質です。
 店頭で選ぶ場合は、固まっているハチミツを選ぶと失敗がありません。

【4】純粋はちみつの場合、業者が「全国はちみつ公正取引協議会」の会員であるなら、公正取引マークがついています。ただし、この協議会の検査の方法はゆるく、会費を払えば誰でも入れてしまうと言われています。マークがついているからと、安心しない方が良いでしょう。

【5】紅茶の中に入れて、黒っぽく変色したら本物だと言われています。これは紅茶に含まれているタンニンにハチミツの鉄分が反応して起こる現象です。鉄分などのミネラルがたくさん含まれているという証拠になります。
 ただし、輸送中にブリキ缶などに入れられていたハチミツの場合、ブリキ缶の鉄分がハチミツに溶け込んでしまうこともあるので、決定的な識別方法にはなりません。

 なかなか真贋を見抜くのは難しいですが、極端に安いハチミツには注意した方が良いです。

 また、2002年に中国産のハチミツに残留抗生物質(ミツバチの病気を防ぐ化学物質)が含まれていたことが発覚し、問題になったことがあります。中国産のハチミツは、安価ではあるが、質が低いというのが定評です。
 古くから養蜂大国として知られてきたニュージーランド産のハチミツや、養蜂のルールが厳しいイタリア産のハチミツなどを選ぶと、失敗が少ないかも知れません。